極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

「きゃー!! なにそのプロポーズ! 一度でいいからされてみたーい!」

 彼女の一言に、あれほど騒がしかった店内は一瞬にして静寂に包まれる。

 だけどそれもわずか数秒間のこと。すぐにワッと店内に歓声が響き渡った。

「プロポーズって……えっ!? さくらちゃんがされたのかい!?」

「それはめでたい!」

「そういえば猪狩さん、店の客でさくらちゃんといい感じの人がいるって言っていたぞ!?」

「今までは大の反応がおもしろくて、からかっていたが……。そうだよな、さくらちゃんが大を相手にするわけがないよな。どれ、今夜は祝杯だ!」

「ちょ、ちょっと皆さん……?」

 本人を置き去りにして盛り上がるみんなに、頭が痛くなる。

「もう、光美?」

 立ったままの光美をジロリと睨めば、彼女は肩をすくめた。

「えへへ、ごめん。あまりに素敵なプロポーズだったから興奮しちゃって、つい……」

「つい、じゃないでしょ」

 いそいそと再び腰を下ろした光美の肩を突いた。

「これじゃ明日にはみんなに広まっちゃうな」

「いいじゃない! 広まっても。さくらは返事に迷っているようだけど、断る理由なんてないよ」

 ため息ひとつ零した私の隣で、光美は実に楽観的に言う。