極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 言われた通り、大学に進学して管理栄養士の資格を取り就職した。だけど仕事から帰ってきてこうして店に立つ私を、両親はずっと心配していた。……つい、三ヶ月ほど前までは。

 今ではまったく反対されていない。それというのも半年前、私に運命の出会いがあったからだ。
 私の気持ちに気づいた両親は、密かに応援してくれている。……叶うことのない恋を。

「ありがとうございました」

「またね、さくらちゃん」

 閉店ギリギリに買いに来る常連さんを見送ると、がっくり肩を落としてしまう。

 今日は会えるかと思ったけど、やっぱり会えなかった。仕事が忙しいのかもしれない。

 明日は来るかな? この前来た時、出張に出るって言ってなかったし、お母さんの言う通り、そろそろ買いに来る頃だと思うんだけど……。

 そんなことを考えながら店先に出て閉店作業を進めていると、こちらに駆け寄ってくる人物を視界に捕らえた。

「あっ……」

 次第に見えてきたシルエットに胸が震える。

 手を止めて目で追っていると、彼は私を見て手を挙げた。