極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 村瀬さんと出会ってからのこの約半年間。毎日が幸せだったよね。彼と会えたら嬉しくて、些細なやり取りに笑い合って。……こうして夢のような一日を過ごすこともできた。

 あとは自分の気持ちを伝えることができたら、思い残すことはない。だって私、全力で恋をすることができたから。

「ありがとうございます、殿山さん。……えっと、デザートいただきますね」

「あ、あぁ。どうぞ」

 納得いかない顔をしながらも、殿山さんがそれ以上なぜ私が泣いたのか、追及してくることはなく、「ゆっくり食べて」と言い席を立った。

 甘いミルフィーユにほろ苦いティラミスは、まるで私の恋心のよう。ひとりで交互に少しずつ食べながら、また泣きそうになってしまった。

 泣いた目の腫れも引いた頃、電話を終えた村瀬さんが戻ってきて、それからは楽しいひと時を過ごした。



 支払いは事前に村瀬さんが済ませてくれていたようで、彼にお礼を言った後、殿山さんを見つめた。

「ごちそうさまでした。どの料理もすべておいしかったです」

「それはよかった。またいつでもおいで、誠司とふたりで。……待ってるから」

 力強い言葉で言われ、思わず村瀬さんと顔を見合わせてしまう。