極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています

 休日も今のように、電話がかかってくることがあるのかな? もしかして休みでも出勤することもあるのだろうか。

 フォークを手にしたまま彼の身体を心配していると、殿山さんがため息交じりに言った。

「大変でしょ? あいつの彼女は。せっかくのデートなのに、仕事の電話がかかってきたら嫌だよね」

「えっ……彼女って……ち、違います! 私は村瀬さんの彼女ではありません!」

 彼女だなんて、とんでもない! ……私なんかが、彼に釣り合うわけがない。

 全力で否定すると、殿山さんは目を大きく見開いた。

「いや、それはないだろ? 俺の店にさくらちゃんを連れてきたのが、彼女だというなによりの証拠だ。……それも、本気の相手とみた」

 人差し指を立てて力説されても、頭にはハテナマークが並ぶ。

 どういう意味? 殿山さんのお店に連れてきたのが、なによりの証拠って。

 すると殿山さんは村瀬さんが座っていた席に腰を下ろし、頬杖を突いてどこか嬉しそうに話してくれた。

「誠司に昔から言っていたんだ。俺の店に連れてくる女は、生涯ひとりだけにしろ。その人以上に好きになれる相手とは、もう出会えないと思ったら連れて来いってな」

「う、そ……」

 耳を疑う話に、素直な思いが口をついて出た。そんな私を見て、殿山さんは顔をしかめる。