「俺も行くって言ったら?」
「はっ?」
「2人きりが良いと?」
「え…いや、別に」
「そうだよな?デート、なわけじゃないんだもんな?」
「言い方はなんかムカつくけど、まあそうですね」
妹の夏祭りについて行く兄ってさ…
過保護シスコン兄or弟のラブコメ!
…にしか、無いと思ってたんですけども。
何故実写化してるんですか?
現実に起きなくて良いんですが。
どういうつもりですか。
「そこの最寄り駅で待ち合わせなんだろ?
貴哉の家がどこだか知らんけど…。
少なくとも妹尾家からは何となく行きづらいよな。そしたら俺のバイクの出番じゃね?」
「翔…優しいんだねっ、ありがとう!」
「だろ「んなわけあるかぁ!一緒に行く相手がいないから、ついでに行こうって言うんでしょ」
被せてツッコミを入れる、という高等技術を私は持っているのだよ。…誰でもできますけどね。
「…はい」
「うーん、でも確かに移動は楽なんだよなー。バイクの置き場があるかは分からないけど」
「駐車場な?それは問題無い。
そこの近くに大学の友達住んでて、ちょっとくらいなら庭の端に置かせてもらえる」
「大学生にして、一軒家…?」
「実家暮らし」
ド天然発言してしまったな。
「じゃあ、まあちょっと貴哉くんに聞いてみるね」
「おう。2人きりがいいって言われたら、まあ…それでも送ってやるし、こっそりついて行くから、友達に許可取っておくな」
「了解」
私達はそれぞれの任務を果たす。
私は貴哉くんに確認、翔はその友達に連絡。
<翔が、一緒に青春したいって言ってるんだけど、いい?>
<青春?>
<夏祭りついて行っていい?って聞いてきた>
<ああ…>
少し考えてるのかな、2分くらい固まっていた。
<いいよ、3人で回ろ>
<大人いた方が飛鳥ちゃんも安全だよ>
<中身はまだまだDK気分なんだけど笑>
まあ、そんなこんなで…実の兄と貴哉くんっていう意外な組み合わせで行くことになった。