ー飛鳥sideーー
夏祭りの3日前。
私は貴哉くんにLINEする。
<はろー!夏祭り、どこ集合?>
ほんの5秒で既読が付いた。
別にいつ返してくれても大丈夫なのに。
携帯いじってたんだな、多分。
それか…ピロンっ、シュタッ!みたいな瞬発力のお話か。
このオノマトペで伝わってる人どれくらいいます?
挙手でお知らせ願いますー。
<待ち合わせは、お祭りの最寄り駅が良いと思うんだけど、どうかな?>
最寄り駅か…どこだろ。
ちょっと調べていると、バイトが休みでついさっきまで寝てた翔が近寄ってきた。
「何、また貴哉とデートすか」
「今度は夏祭り」
「飛鳥パイセンやるっすねー」
翔は、顔も性格もそこそこ良いくせに、彼女がいません。即ち、デートをしたことがない、という解釈ができますね?
だからパイセンなんすね?
「残念だけど、うちらの関係にデートは無いんだよ」
「ほおーん」
ウザ絡みしてきたよ、寝起きだからか。
自分の兄ながら、寝癖が可愛くてギャップ萌えしそうなんですが。1周回ってムカつくな…。
そんな翔を何となく相手しながら調べる。
んー、自宅からだと少し行きにくいな、この駅。
「へえ、そこの祭行くの?」
「うん。行ったこと無いけど、花火大会もあることだし、楽しそうだなーって」
「未踏の夏祭りに行こうってことだな?」
「ま、貴哉くんもいることだし」
「ふぅーん」
興味あるんだか無いんだか、みたいな反応してきたな。何なんだ、ホントにもう。