コミュ英の教室に行くと、佐倉がいて、なんか安心感があってつい、
「ああー」
と、謎に声を上げて突っ伏す。
「な…何だよ…」
佐倉に目を細められる。
でもまあ、割と心配してる時の顔だ。
「いやー、なんかもう」
「あ?」
面倒くさそうにする割に、意外と聞いてくれるんだよな。
体を起こして話し出す。
「なんか、貴哉くんが意味深で」
そう言うと、佐倉は怪訝な顔で首を傾げる。
「誰、貴哉って」
「ああ…」
そうか、何だかんだ言って貴哉くんのこと話したことなかったんだっけ。
軽く彼の説明をして…。
「で、また俺と付き合ってるとか言われたと」
「そう」
「それで、彼氏じゃないって言ったら、なんかやたらホッとされて、勘違いしちゃうーとか言ってると」
「…んー、まあ若干語弊がないこともないけど、そう」
「妹尾のことよく分からんってことだけは、よく分かった」
そうだね、軸が定まってないし、そもそも佐倉はそんなに恋愛相談向いてないか。