ー飛鳥sideーー


水曜、昼休み。

今日は凜と知愛と過ごした。貴哉くんは同級生といるんだろう。何も連絡が無かった。

少しキツかった。またよく分からない話題ばかりで、私はただ、そうだねー、そうなんだーって、さほど興味も無いのに、バレないような作り笑顔を作って。


さりげなく、トイレに行くと言って日本史の教室に早めに向かった。

はあ…つくづく、女子の相手は向いてないと感じる。


…あれっ、もう貴哉くん来てる。

でも、珍しく元気無いように見えて、手に携帯を持って机にピターっと、一体化している。
居眠りしてるわけではないな。かったるいけど携帯見てます、みたいな?

…珍しくって、まだ彼の1週間しか知らないんだけど。私の知ってる貴哉くんは、無邪気でいつも楽しそうにニコニコしてる。

自分の机に教科書類を出して、リュックを横のフックにかけ、携帯だけポケットに入れて貴哉くんの方に行った。

ふと目に入った彼の携帯の画面には、教室どこ
ー??という貴哉くんの送ったメッセージに、私の付けた既読があるだけの、私とのトーク画だ。
何か送ろうとしてたのかな?


「貴哉くん、元気なさそうだけど大丈夫?
慣れない場所で2週間過ごして、疲れちゃった?」