急に後ろからガバッと抱き寄せられる。
「俺の大事な彼女、誑かすのはやめてもらっていいですか?」
「たっ、貴哉くん!?」
どことなく、いつもの明るいノリな言い方じゃないように感じた。気のせい?
「…今のは、どちらかと言えば妹尾だろ」
俺を責めるのは理不尽じゃね?って顔だ。
だけど貴哉くんは、抱き締めてくる腕が強まる。
…付き合って、過保護になった感じ?
「寝取ったって、どういうことですか?」
「へっ?「あっ?「えっ?」
私、佐倉、金澤くん、の順番で聞き返す。
寝取るとは?
…私の小説では、そんなドロドロ展開は起こさないから、あんまり馴染みは無いですが。
「さっき!寝取った、可愛かったーって、金澤くんと2人で話してたじゃないですか」
「…ああ、アニメの話」
「え??」
貴哉くんの間の抜けた声で、張り詰めた空気が緩んだ。
いや待って、何の話なの?
「俺と金澤が好きなアニメの話。何でそこだけ切り取ったか知らんけど、わざわざ妹尾に手出すほど溜まってない」
「そこだけ切り取られたら、僕ら不健全なアニメ好きみたいじゃん」
「言ってることは不健全ではあったけどな」
「なんだ…」
はいぃぃ??



