心配していた火曜になる。

飛鳥ちゃんが、植草さんと仙葉さんと一緒の授業があるから。
体育は、俺がいるからまだ良いとして…。


お昼、ベンチで2人きりが良かったけど…さすがに寒いから、教室で食べることにする。

行くと、飛鳥ちゃんが先にいた。


「あー、貴哉くん。
朝ご飯食べ損ねて、ちょっと待てなかったー!
ごめん」

「そっかそっか。いいよ、別に待ってなくて」

「ホントは待ちたかったの。一緒にいただきますしたいじゃん」

「可愛いこと言うんだね」

「可愛い子になりきってみた」


さすがに吹くよ!
普通言わないよ、そこを正直に!


「…じゃあ、こっちもわざと?」

「へ?」


口の端に付いていた米粒を取って、パクっと食べる。


「あっ、あ…」

「何あわあわしてるの?」

「貴哉くん来る前に付いちゃったやつ…。来たことに気取られて忘れてた」

「そんなことある?」


俺は彼女の前の席に座り、振り返ってコンビニで買ってきた物を広げる。


「寝坊したの?」

「うん、ちょっとね…」

「じゃあ唐揚げあげるー。
前貰ったから、唐揚げ返しー!」

「遠慮無く貰います!」


少し意地悪しちゃおうかな?


「ん?食べないの?」

「手掴みはダメでしょー」

「そっか」

「あーん、してくれないの?」

「んっ…」


目を逸らして、頬を染めてしまう。


「俺、あの時あーんしたのになぁ」

「そうだけどさ…」

「あーん返しも欲しいなぁ」

「急に意地悪化するのダメ!」


怒られちゃった。