「あ、飛鳥ちゃん。改めて、お誕生日おめでとう!」

「ありがとう!…本当に、貴哉くんより1個上になっちゃったね」

「半年もしないうちに、すぐ追いつくよ?」

「確かにね」


来年こそ忘れません。


フロアマップを見ながら、この雑貨屋さん可愛いだろうなー、とか想像してみる。


「ペアグッズとは一口に言っても、色々あるよね」

「だから、色々考えたり調べたりしたけど、何が丁度良いんだろー?って迷っちゃって」

「用意周到にしたかったんだね」

「結局特に何も決められなかったけど」


貴哉くんはちょっと残念そうに微笑んだ。


「ガッツリなやつでもいい?
ガッツリなやつは好きじゃない?」

「ガッツリとは?」

「色違いのパーカーだったり靴だったり」

「あー、なるほど」

「マグカップとか部屋着とかも憧れるけどね。今はやっぱ、外に持っていく物が良いかなーって思ってて」

「同棲カップルって感じだね、マグカップなんかは」

「んっ…うん…」

「え?」


ふと目をやると、貴哉くんは軽く頬を染めていた。


「突然照れないでよー。
意味を込めて言ったんじゃないんだからー」

「いい攻撃食らった気がする」

「攻撃してない!!」


それはともかく。


「貴哉くんは、いかにもペアです!みたいなやつでも大丈夫だよーってこと?」

「むしろそれがいいなー」

「面白いね、男の子はそんな積極的にペアグッズ取り入れたがらないんだと思ってた」

「飛鳥ちゃんの彼氏です!って、堂々と彼氏面できるじゃん」

「彼氏面も何も、彼氏じゃん」

「なんかデジャブ」


さっきの貴哉くんの台詞を真似してみました。