ー飛鳥sideーー


貴哉くんと付き合うことになった翌日。

浮かれた結果、15分の寝坊をかましてしまった。やっちまったなぁ…。
朝食を諦めて、身なりだけちゃんと整えて出ることにした。


古典の教室に着いて、少ししてから佐倉が来る。


「ああ…なんか久しぶり。月曜、英文法の時いなかったけど、大丈夫?」

「んー、ちょっとねー」

「何だよ、はぐらかして」

「まーねん」


授業が終わってから、貴哉くんから


<そっち行くね>


ってLINEが来ている。

待っててってことか。


「飛鳥ちゃん、やほー」

「ん、やほー」


いつも通りだな、意外と。


「佐倉くん、来たよー。
…お、妹尾ちゃんとたかやんもいる」


金澤くんも来る。なんか集合しちゃった。


「あ。…良い機会なんで、報告しますね」

「お、なになにー?」


貴哉くんの宣言に金澤くんは楽しげに反応する。佐倉は一切表情を動かすことなく、貴哉くんを見つめる。

私は貴哉くんに後ろから両肩を掴まれる。


「ふおっ」

「この度飛鳥ちゃんに告白して、付き合うことになりました!」

「えっ?!」


私は少しビックリして軽く振り返る。


「今後ともよろしくお願いします!」

「ああ…はい」

「よろしくー!」