目を逸らされてしまう。


「キスもできるくらい好きにさせてみせるから。覚悟しといてね!」

「や…別にしてもいいけどさ…」

「え、いいの?」

「心の準備が、まだできてない…かな」


しても良くないじゃん、それは!


「まあ、俺待つの得意になったかもしれないから、心の準備できるまで待つよ」

「得意になったかも、とは」

「俺ずーっと飛鳥ちゃんのこと好きだったからさ。
半年ちょっと…短いような長いような、不思議な期間だったな」

「え…」

「何でちょっとビックリしてるの」

「えー!」


飛鳥ちゃんはスクッと立ち上がった。


「めっちゃ驚くじゃん。そんな分かりにくかった?」

「半年ちょっとって…そんなん、初めましてくらいから…」

「うん、そうだよ」

「えー…そうだったの…」

「鈍感」


飛鳥ちゃんは手で顔を覆って立ち尽くす。

だっ…ダメだ、抱き締めたくなる。


「…あんま無防備にならないでね?
ホント、お願いだから」

「へ?」


手をどけて、俺に目を向けた。


「今まではめちゃめちゃ我慢してたけど、彼氏に昇格したからには、何するか分かんないよ?」

「な…何しようとしたの?」

「キスもしたいし、抱き締めもしたい」

「ええっ…」

「愛おしさ爆発で、俺どうにかなりそう。
どこでも好き勝手抱き締めたくなるかも」


なんて言えば、飛鳥ちゃんはみるみる顔を赤くする。