君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。



ー飛鳥sideーー


え…?

戸惑いながら、貴哉くんの背中を見つめるしかできなかった。


鈍いって、何…?


貴哉くんが、本当に私のことを好きだって言うの?

ちょっとだけ希望を信じて、聞いただけだったのに。


その日の夜。ベッドでぼんやりしていると。


「飛鳥」

「…」

「飛鳥?おーい」

「ひっ」


急に目の前に来た翔に驚く。


「…んなビックリしなくても。
何ぼんやりしてんだよ」

「…考え事?」

「へえ。じゃ、頼れるお兄さんが聞いてやろう」


何故そんなに自信満々な顔でいられるのか、私にはよく分からない。

でも、話してみよっかな。男子目線の意見とか聞けるかもしれないし。

昼休みのことを話してみた。


「なるほどねー。で、飛鳥の気持ちは?」

「え…?」

「だから、飛鳥はどうなんだよ。貴哉のこと意識してんの?」

「…そ、それは」

「その反応が、答えなんじゃねーの」


火照ったこの頬が、答え。


「…まあ、告うばっかが正解じゃないからな。
飛鳥のしたいようにすりゃいいじゃん。あとは、貴哉次第ってとこかな?」

「…ありがとう」

「あ?何だよ急に」

「お礼くらい言ったっておかしくないでしょ!」


翔はフッと笑った。