こないだっからおかしい。
何で、そんなの気にしてるんだろ。
貴哉くんが言ってた。
ヤキモチ?って。
あの時は否定したけれど、多分ヤキモチだった。
友達として?それとも…
好きな人、として?
小説書くの好きなくせに、自分の恋愛のこととなると、分からなすぎる。
学校に着いて数学の教室にいる。
いつものことだけど、凜と知愛が一緒にやってくる。
「飛鳥ちゃんおはよー、風邪治った?」
「ほぼ治ったよ」
「そっかー、良かった!」
知愛がそう声をかけてくる。
それに対し、凜は。
こっちを見つめてくるだけ。
…何だ?
その後の体育もそんな感じだった。ほぼ、凜と知愛、私と貴哉くん、で喋ってるような。
まあいいんだけど。思ってたより気楽に過ごせる火曜日だ。
着替えた後、エレベーターで被服室に向かう。
降りた先で、偶然佐倉と金澤くんと目が合う。
「妹尾ちゃん、復活したんだー」
「うん。…昨日はサボっちゃったけど」
「はあ、やっぱり」
佐倉に苦笑いされる。
…やっぱり、って何やねん。
「あっ!飛鳥ちゃんいたー」
階段から来た様子の貴哉くんが現れる。
「教室いないから、被服室行っちゃったかなーって。今日は教室だよって、伝えに来た」
「教室だったか…うっかりしてた。
ありがと、わざわざ来てくれて。LINEで良いのに」
「…え?あっ…」
貴哉くんが一瞬キョトンとした理由は何となく分かった。
「LINEするっていう選択肢が頭に無かった…!」
ああ、やっぱり。
「そんだけ、たかやんは妹尾ちゃんに会いたかったんだねー」
「へっ?あ、いや…まあ…」
金澤くんの一言に、貴哉くんがあからさまに照れる。
…そういう反応するから、私も不用意に意識してしまうんでしょうが。
「それはそうと、休んでた分の確認とかしなくていいの?」
佐倉の会心の一撃…!
私からすりゃ、痛恨の一撃だけども。
「…ぜってぇ忘れてただろ」
「はいっ!」
「元気か」
「元気!」
私が休んでる間にあった授業は…日本史2回、コミュ英2回、地学、数B、保健β、物理、英文法、古典、数IIか。
うわ、きつっ。何とまあ、重めの教科が出揃ってるんだけど。
数IIは自力で何とかなりそうかな。今朝の授業、普通についていけてたし。
いやぁ、でもねぇ。



