君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。



ー飛鳥sideーー


火曜日。

妹尾飛鳥、完全復活!!!


…かは微妙だけど。

一応マスクをして学校に行くことにした。
メイクはマスクバージョンで…っと。

外すタイミングもあるし、気は抜けない。
とはいえ、基本目元しか見えないから、眉と目元は普段よりハッキリと。

マスクの中で蒸れるから、薄づきファンデは必須。唇も色付きリップでいいかな。

最後にキープスプレーをかける。


完璧っ…!

そう思っていると、鏡越しに翔と目が合う。

部屋の机でやってるから、見られても仕方無いし、そもそも気にしてもいないけど。


「…楽しそうだな」

「上手くいったな、と思って」

「ああそう。
で、昨日はサボっといて、今日は行くんだ」

「まあまあ、昨日はねぇ…うん」


昨日は、木曜から日曜までしっかり休んだことによりダラダラモードに入って、つい休んじゃったわけです。


「逆に今日の方がキツイんじゃねーの」

「あぁ…まあ、そうだね」

「数IIで凜と知愛、体育で凜と知愛」

「まあ、火曜が1番ハードだよね」

「あーあー。昨日のうちに楽にリハビリしときゃあ良かったのにぃ」


確かにそうだったんだけど。

どうしても今日は、休むわけにはいかなかった。

何となく、何となくだけど…体育で、貴哉くんとあの2人を3人きりにしたくなかった。

貴哉くんが大変そう、というのはあるにしても、それ以上にその状況を想像するのが嫌だった。

そもそも行かなければ、見ることも無い。

だけど、行かないで想像だけしてモヤモヤすることは、予想するに難くなかった。