「でもまあっ…なんかそいつ、面白そうだな。いっぱい話聞かせろよ?女社会で生き延びんの苦手なんだから、貴哉って奴と一緒にいる方が良いかもしれないしな」
「まあ、私が女子を苦手にさせたのは、翔のせいでもあるんだけど…」
「兄がいて男慣れしてるからってことだろ!人のせいにすんなやっ!」
なんてデコピンを食らう。
「いって…。可愛い妹相手に容赦ないな」
「平気で煽ってくるお前のどこが可愛いんだよ」
「顔面が可愛い」
「んなわけ」
2人でぷははっと笑う。
そんなこんなでいつものように喋ってから、翔はバイトに行った。
一応翔とは別の部屋だけど、仕切りの引き戸を全開にするとひと続きの部屋になる。テスト前でもない限り、大体全開にしているから、さっきみたいに好き勝手入ってくる。
…まあいいや。執筆しようっと。私は携帯を取った。今書いてるのは、高校生になった主人公が中学時代のことを振り返るシーン。
そこでふと、自分の中学時代のことが頭に浮かんだ。
そんなに良い思い出無いんだよなぁ。
別に何かあったわけじゃないけど、女子といる時に無理して合わせてる自分が嫌になって、それが居心地悪かったからなぁ…。
あーもう!小説のこと考えよ!