あと、おんぶするのは体勢的にキツそうだからお姫様抱っこの形で連れて行くとして、服装がスカートだ。
そこまで短くないとはいえ、一応脚に何か掛けてあげた方が良いはず。
俺、何か良いの持ってたかな。自分の席に目を向けてみた。
…あっ。ブレザーと、マフラーがある。大判だから、ブランケット代わりになるはず。
でも今、あんまり動けないからなぁ。
そう思いながらふと目線をずらすと、飛鳥ちゃんの後ろに座っている女の子と目が合う。
「あの、ちょっとお願いしてもいいですか?」
「えっ…!」
私?!というように驚かれたけど。
「僕の席、あそこなんですけど、リュック開けてもらって構わないのでマフラーと、
椅子に掛かってるブレザーを持ってきてもらっていいですか?」
「あっ、えっ…うん、分かった」
その人は手早く持って来てくれた。
「ありがとうございます」
「ううん」
飛鳥ちゃんに早速、ブレザーを肩に掛けて、軽く折り畳んだマフラーを脚に掛ける。
「じゃあ、行くよ」
「…うん」
彼女を持ち上げて、教室を後にした。
廊下やエレベーターでは不思議そうに見られていたけれど…まあ、仕方無い。
ごめんね、目立っちゃって。