翌日。土曜だから学校は休み。
LINEを交換したはいいけれど。
何も来ないですよ?
何がしたかったんだろ…。
「飛鳥ー、どうだよ新学期ー!」
兄の翔(かける)がやたら元気に声をかけてきた。
難関国立大学に通う2年生。
性格的に、大好きな自慢の兄。
普段から他愛ない会話をしたり、休みの日は一緒に買い物に行ったりする。
大学生になってからバイクの免許を取り、後ろに乗せてくれることもあり、傍から見たらカップルのようだと思う。
実際、母似の私と父似の翔とで、そこまで似ておらず、彼氏です、と嘘をついてもバレないかもしれない。
「もう2週間経ちますけど…?」
「だからこそだろー!1週間目なんか授業なくてフワフワしてるだけだし」
何かあるかなー…貴哉くんが1番大きな変化か。
「可愛い後輩くんが、話しかけてくれた。貴哉くんって言うんだけど」
「ほおー、それで恋の始まりって?」
「…そういうわけでもないんだけど。ただ…言うことすることが純粋で素直でわんこすぎて、やたらズキュンとさせられる」
「だから、キュンっつーのが恋じゃないの?」
「…とは違う。てか、彼女の1人もできたことない翔に、恋愛語られたくないなぁ?」
「うっせ。爆モテすぎて女子が近付いて来ないんじゃっ!」
「負け犬の遠吠えってやつですか、お疲れ様です」
翔は私の煽りに若干怖い顔を見せてきたが。