そんな現実、あるわけない。
携帯にひたすら打ち込んでいた小説を、ふと我に返って閉じる。
そうだ、これはお話の中だった。
普通の兄妹だと思ってた2人が、実は想い合っていた。ある時血縁が無いと知って、互いの気持ちに素直になる。
兄は妹を一途に溺愛し、妹は控えめながらも想っている。
小説とか漫画にだけ存在する空想。
こんなものばかり書いていたら、現実の切なさや虚しさや、どことなく感じる苦しさを見ない訳にはいかなくなるのに。
小4くらいから、高2になった今でも書いている。
小説だなんて、言えないかもしれないけど。
所謂、自己満でいいんだ。
自分が少しでも満たされればいいんだ。
私を傷付けたり、裏切ったりしない、大事にしてくれる“自分で作り上げた”世界で。