とりあえず飛鳥ちゃんの次の授業がある教室で食べることにした。

運良く、もう1組だけいるくらいの教室。

前の出入口付近にいる俺らに対し、彼らは窓際の後ろの方にいるから、2人きりと言っても過言ではない。

…過言か、さすがに。


「俺とその後の授業一緒じゃなくても、一緒に過ごしてくれるんだね」

「それは貴哉くんの方がそうじゃん。
こんなんとより、話の合う同級生男子といる方が楽しいんじゃないの」

「こんなん、とか言わないでよ…」


俺の呟きに、右側に座る彼女は顔だけこちらに向けてきた。


「面白いこと言うんだね」


なんて軽い調子で言って、また前を向き直す。


「…てか別に、うちら話合うのか。
あ、めっちゃ合うわ」


独り言程度に言った。
そして、何やら嬉しそうに微笑んだ。

俺はふと、机の上にある彼女のスマホが目に入って気付く。


「ねえ飛鳥ちゃん。携帯キラキラしてない?」

「キラキラっ?!」

「チ…チカチカ、してる」


今朝から、日本語力さようならしてるんだ。

おそらく通知だね。


「誰だろ」


携帯を手に取って確認しだす。


「あっ…」


LINEかな。

俺はあんまり介入しない方が良いかも。