君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。



翌日。火曜、体育。
種目選択だけしてすぐ解散っていう、とても嬉しいやつ!わざわざ着替えなくて良いからね!

まず部ごとに分かれて出欠を取って、それから種目別に希望の所に並ぶっていうシステム。


「やっぱダンスだよねー!」

「うんうん!後期の創作何にしよー」


もうそんなこと考えてるんだね…多分12月以降からだと思うけどね?

そんな話をうっすら耳に入れながら、ダンスの列に向かっていると、肩をトントンされる。


「来たよ!」

「おあっ、貴哉くん」


私の横に軽く跳んで並んでくる。

そして、眩しいまでの笑顔を浮かべてくる。何なの…天使なの…?

そして、凜も知愛もイケメンを見る目で眺めている。良かったね、凜さん。大好物のイケメンだよー?


「貴哉くん…めっちゃ狙われてる…」

「え?」


キョトンとして首を傾げる貴哉くん。そして。


「飛鳥ちゃん!人聞き悪いから!」


凜が慌ててそう言ってくる。


「まあまあ、落ち着きなさいって」

「もー!」


凜の肩をポンポンと叩いて宥めてみる。

うん、結構簡単に落ち着いた。


「えっと…一緒にダンス取るの?」


知愛がやっとそう言ってきた。

貴哉くんは頷いて、


「はいっ」


と答える。

私以外の年上には、割と敬語調だよね。

佐倉や金澤くんにすらそうだし。翔は…あれ…?

てか、貴哉くんが女の子と喋ってるとこ初めて見る?


んー…。