「ホーム画の奴が、貴哉?」
「ホーム画…?」
何にしてたっけ。貴哉くんってことだからな…ああ、水族館の写真か。
「水族館の?」
「そう」
「うん、貴哉くん。それが?」
「…いつの間に付き合ってるの?」
「あ?」
思わず、元ヤン的な反応しちゃったよ。
「付き合ってはないです…」
「え、ああいうツーショって、付き合ってなくてもホーム画にして良いの?」
「どういう意味?」
「自撮りとか、カップルか陽キャしかホーム画に載せちゃいけないもんだと思ってた」
「盛大にいじってるのかな?」
「隠れ陽キャ…てか、妹尾は裏切らないと思ってた。彼氏とか作れないのかと…」
あ、うん。真顔のままいじってきてるね。
ウザ絡みスイッチがオンになってるよね。
「てか何、裏切るって。
彼女欲しい!みたいなの無いじゃん、佐倉」
「人並にはある」
「でも好きな人は?」
「…3次元にはいない」
そう来るなら…。
「それならお客様…2次元の中限定で、一夫多妻制というプランはいかがでしょうか?」
「残念だけど、そのプランには何年も前から加入してる」
「んんっ…でしたら、追加料金は発生しますが、3次元でも対応する一夫多妻制プランをオススメいたします」
「…遠慮しておく。別に1人でいいし…どうせ、ブルキナファソとかに飛ばされるだけだろ」
「ブルキナファソって一夫多妻制認められてるの?どこだか知らないけど」
「確か。…急にただの妹尾に戻ってるけど」
「あっ」
私はウザ絡みを徹底するのが苦手なようです。
ははは…もっと訓練を積まなくては。
「飛鳥ちゃん、いた!」
急に名前を呼んできたのは…貴哉くん。
「あ、本物」
私が後ろの出入口に振り返ると同時に、佐倉も目をやってそんなことを言う。
「ほ…本物…?」
当の貴哉くんは当惑しているようだけど。
彼と、その友達2人が教室に入ってくる。
「貴哉くんが困ってるでしょ?謝りなさい、律!」
「…俺のおかん設定?妹尾に育てられた覚えは無い」
「なんてことを言うのこの子はっ!」
「後輩3人が、お前のこと不思議そうな目で見てるのは良いの?全員後輩か知らんけど」
「今更貴哉くんが、このノリに驚くなんてことはない!」
「いや、そうかもだけど」
佐倉が普通に肯定してきたのは少し癪に障るが。



