「そういや、今日は被服室で授業だね」
「あ!じゃあ自由席?同じテーブル行っていい?…え?」
急に彼が不安げな表情を浮かべたのは、私が微妙な顔で見つめたからだと思う。
「どうした今日…。随分グイグイ来るようだけど」
「今日から飛鳥ちゃんに、グイグイ行こうプロジェクトだから!」
なんか宣戦布告みたいなのされた…。
「エレベーター来たよー」
「あ、乗ろ」
良くも悪くも空気を読めない凜さんに、今回は救われたな。
反応に困るよ貴哉くん。
どう解釈したって、アタックしようとしてる男の子の発言にしか聞こえない。
「じゃ、ここだからー」
「バイバイー」
先に降りる凜と手を振り合って、自分らも被服室のある階に行く。
「あの子、よく一緒にいる?」
「んー、まあ高校内の女子の中では。いつもはもう1人いるんだけど、休んでて」
「良かった、飛鳥ちゃんって女の子の友達もいるんだね!」
「…どっ、どういう意味?」
そんな“安心”って顔しないでもらっていい?
うちの子ただの男たらしじゃなかったのね!みたいな、母親の顔だよそれ。



