授業が始まり、全員での準備運動が終わると、私は凜と2人で鏡の前を陣取る。

そこそこ広い空間だから、陣取るってほどのことでもないんだけど。


ダンス終わり。着替えて、凜と2人でエレベーターを待っていると。


「あっ、飛鳥ちゃん!」


と駆け寄ってくる可愛い後輩くん。
…ってねぇ?今更そんな紹介はしません。

友達の貴哉くんです。


「初めてだね、ここで会うの!」

「着替えるスピードが上がったのかもしれない」

「夏休み前と後で、そんな変わる?」


貴哉くんよ…何故君はそんなに眩しいまでの笑顔を見せてくれるの…?

多分、朝から凜としか喋ってないから、男友達が新鮮というのもある。

そしてそれ以上に、なんかそもそも貴哉くん自身が楽しそうっていうか、嬉しそうっていうか。


「…何かあった?」

「へっ?」

「何かいいことでもあった?」

「いやー、いつも通りだよー!
…強いて言えば、夏休み明け初の飛鳥ちゃんに、こうやって偶然会えて嬉しいかな!」

「…家庭科で会いますけど」

「そういう問題じゃないんだよ、会えると思ってなかった所で会えたから、嬉しいの!」


健気で可愛いね。