「う、うん……」

みんながやけに詳しいことに風子はさらに驚いた。しかし、嬉しさもある。

「あと、パブっていうお酒を飲む場所もたくさんあるよ」

嬉しくて風子は言った。

「あと、義務教育ってあるでしょ?日本だと六歳からだけど、イギリスでは五歳からなんだ」

風子がそう言うと、真衣たちは真剣に聞いてくれた。拓也はメモまで取っている。

「世界研究部はこんな風に、色んな国について調べる部活なんだ」

イギリスのことについて話した後、真衣が言った。

「その国の文化とか、料理とか、スポーツとか、日本にはない法律とか、色んなことを調べるんだ」

幸太が言う。

「この部活に入ってくれない?」

真衣が風子を見つめる。

風子はどうしようと心の中で焦った。学校に慣れるまでは部活はしないと決めていたからだ。

「私たちみたいに、掛け持ちもオッケーだよ」と愛。

「知らなかったことを知れて、世界が広がるよ」と拓也。

それからしばらくみんなから世界研究部の素晴らしさを語られ、風子はますます悩む。

「じゃあこうしよう!!」

真衣が言った。