二人のないしょ話

「ご……めん……なさっ……。ごめんなさ……い」

「大丈夫だよ。怒ってなんかいないから」

俺は優しく小泉さんの頭を撫でた。



「私……お兄ちゃんのことで、からかわれたり、いじめられたりしたの……」

泣き止んだ小泉さんは、ゆっくり口を開いた。

「もちろん、優しい人もいたよ。からかわれている時、相手にやめなよって言ってくれる子……。でも、その子すら信じられなくなったの」

乾いていた瞳に、また涙がにじんだ。小泉さんは涙を拭き、話を続ける。

「中学三年生の時、仲良かった子が急に無視するようになって……。「あんたとなんか、友達じゃない」って言って、私をいじめるようになったの。……高校生になって新しくできた友達も、似たようなことを言って離れていったの」

そこまで聞いて、俺はずっと謎だったことがわかった。