二人のないしょ話

でも、新聞部の彼女なら信用できるかもしれない。俺は全てを話した。

「なるほど……。これは絶対何かあるね……」

メモ帳に俺の話したことを書きながら呟いていた。

「今から取材してみる。何か新しいことがわかったら、すぐ教えるね」

そう言いながら歩いて行こうとする新聞部を俺は呼び止めた。

「何?」

「あのさ……小泉さんには取材しないで。小泉さんにこのことは知られたくない」

新聞部はニッと笑って言う。

「大丈夫!口が固いのが、新聞部の決まりだから!」

小泉さんと手話できますように……。

走っていく新聞部の背中を見つめながら、俺は必死に祈った。