かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 コロコロと感情も表情も変わるところ、昔からずっと変わっていない。でもそこが由良の良いところでもある。

 食べ終えると、すぐに運ばれてきたアイスコーヒーを飲みながら、由良は「小毬を応援するとは言ったけど、あいつのことはしっかり見定めたいからGWのこと、忘れないでね」と釘を差された。

 それからお互いの仕事の話をしていたら、そろそろ会社に戻らないといけない時間になっていた。

「話し足りなかったねー。今度会えるのはGWになりそうだし、社会人になると会える時間が限られちゃうね」

「そうだね。でも会社近いし、またランチしよう」

「うん、絶対にね」

 そんな話をしながら会計に向かうと、列ができていた。最後尾に並ぶと、前に並ぶスーツ姿の男性三人に目がいく。

 ん? このうしろ姿、すごく見覚えがあるぞ。もしかして……。

 様子を窺っていると私の視線に気づいたひとりが振り返った。

「え、荻原?」

「やっぱり野沢君だ」

 一緒にいたのは千葉支社に配属された谷君と岸本君だった。ふたりも歓声を上げた。

「おぉ、荻原さんじゃん! 久しぶり」

「元気だった?」

「うん、ふたりも元気そうだね」

 二週間ぶりなのに、ずいぶんと会っていないような気がする。

「ふたりとも近くで研修があったみたいでさ、せっかくだから一緒に昼食べようってなったんだ」

「そうだったんだ」

 野沢君から事情を聞いていると、なにやら谷君と岸本君は由良をチラチラと見ている。