かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

「だって一目瞭然だったから。小毬にバレないようにいつも見ていたし、小毬がいないところでかなり気にかけていたしね」

 なにか思い出したのか、由良は笑いながら言った。

「よく小毬のことを悪く言ってた女子たちに、あいつが牽制しているのを見たなー。強者はそれを逆手にとって、あいつに付き合ってって迫っていたけど」

 将生から聞いて知っていた話だけれど、どこか信じられない自分もいた。でも由良から聞くと、本当だったんだって実感させられる。

「それと小毬のことを少しでも好意的な目で見ていた男子に、ものすごい圧力をかけていたんだけど、それがまたものすごい形相でさ。だから男子は小毬に話しかけたくても、話しかけられなかったんだよ」

 え、それじゃ私に男友達ができなかったのは、もしかして将生のせい?

 そんな疑惑が増す中、由良は食べる手を止めて、眉尻を下げた。

「男って好きな子にはうまく愛情表現できない生き物なんだって、大人になった今は理解できるけど、昔は小毬に対して散々な態度だったでしょ? だからあいつのことは大嫌いだった。……でも小毬を好きな気持ちは本物だと思うよ。昔からずっと」

 しみじみと言われ、胸がトクンと音を立てた。