かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 由良はとにかく綺麗で目立つ子だった。それなのにサバサバした性格で、どこにいっても中心にいるような存在。そして大の世話好き。

 中学校では、将生との関係を周囲に知られることはなかった。だけど小学校の時のトラウマがあり、一年生の時は友達ができなかった。

 由良とは中学二年生の時に初めて同じクラスになり、ひとりでいた私に声をかけてくれたのが、仲良くなったきっかけ。

 由良のおかげでクラスメイトとも打ち解けることができて、自分から人に話しかけることもできるようになった。

 高校、大学も同じ進学先に進み、私にとってかけがえのない存在だ。

 そんな由良はこの近くに本社を構える、化粧品会社に入社した。綺麗で話し上手な彼女に、ぴったりな職種だと思う。

 注文を済ませると、水を一口飲み、さっそく由良は聞いてきた。

「結婚して自由になった感想を聞かせてよ。毎日楽しく過ごしている? いや、過ごしているよね。ガツンと言ってやったんでしょ? あいつに大嫌いだって」

 これにはただ、苦笑いするしかない。

 将生のことを由良には、幾度となく相談してきた。そうするうちに由良まで将生のことが嫌いになったようで、いつも『あいつ』呼ばわりしている。

 結婚後、寝室は別にしてもらってバリバリのキャリアウーマンとなり、私は自由に生きるつもり! と伝えていた手前、非常に今の状況を説明しづらい。

「その時のあいつ、どんな顔してた?」

「えっと……」

 期待に満ちた目で私を見る由良に、結婚式の日から今日までのことを話した。