かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

「ではまず、一日の仕事の流れからご説明いたします」

「よろしくお願いします」

 メモ帳をポケットから取り出し、山浦さんの話を聞きながら必死に書き記していった。

 それからの時間はあっという間だった。覚えること、やらなくてはいけないことはたくさんあり不安になったけれど、でもそれと同時にやり甲斐を感じた。

 定時は十七時だけれど、みんなと同じ時間に上がったら初日で疲れているのに、どうして秘書課に配属されたのか追及されて大変だろうからと、十分早く上がらせてもらった。
 おかげで電車も空いていて、座ることができた。

 腰を下ろすとゆっくりと走り出した電車の中でスマホを見ると、同期の子からさっそくメッセージが届いた。

 それもグループのほうで送られてきたから、みんなからも同じようなメッセージが次々ときた。

 山浦さんから聞かれた時に言うように教わったことを、文字にして打ち込んでいく。

 今年から方針が変わり、新入社員からも秘書課に配属されるようになったと。すぐに既読がたくさん付き、みんなから納得したという答えが返ってきてホッと胸を撫で下ろす。