かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

「小毬はどう思う? 俺は小毬たちみたいにな恋愛結婚は、できないと思うか?」

「えっ? ううん、そんなこと思わないよ。……誠司君にも、心から好きになった相手と結婚してほしいと思ってるし」

 小さい頃から本当に妹のように優しくしてくれた誠司君。そんな彼の幸せを願わないわけがない。

「いつか出会えるよ、誠司君にとって運命の人と」

「小毬……」

 よほど酔っているのか、目をウルウルさせて「ありがとう」と言う誠司君んにびっくりしながらも、山浦さんとふたり声を上げて笑ってしまった。

「山浦さんまで笑うことないじゃないですか」と文句を言う誠司君を宥めていると、山浦さんのスマホが鳴った。

「すみません、少し席を外します」

 電話の相手を確認すると急用なのか、部屋から出ていく。すると誠司君は私の顔を覗き込んだ。

「山浦さんがいたから追及をやめたけど、どう? 将生とは。ケンカとかしていない?」

「……うん、うまくいってるよ」

 照れくさくなりながらも答えると、誠司君はホッとした顔を見せた。

 気持ちを伝えてから、将生はまた変わった。「仕事がつらい」とか、「洋太にイラついた」とか、愚痴を零すようになって、時折甘えてくる。