かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 様々な考えが頭を巡る中、秋田さんが私たちの間に割って入ってきた。

「ここじゃなんだし、あそこのカフェに入ってゆっくり話そうか」

「えっ?」

 は、話すってなにを? 将生とは別れてほしいとか、そういう話?

「そうですね、では行きましょう」

「うん、そうしよう」

 勝手にふたりで話を進められていく。

「えっ!? あのっ……」

「さぁ、小毬ちゃん行こう!」

 有無を言わさぬ如く秋田さんに腕を掴まれ、近くにあるカフェに連れていかれた。


「ごゆっくりどうぞ」

 注文したコーヒーが運ばれてきて、目の前に座るふたりはさっそく飲んでいる。

 ふたりはどうして私に会いにきたのだろうか。疑心暗鬼になりながら、コーヒーを一口飲むと、先に口を開いたのは沢渡さんだった。

「改めまして、一昨日はしっかりご挨拶できず、申し訳ありませんでした。社長にはいつも大変お世話になっております」

「いいえ、そんな……」

 なんて言いながら、どういう意味での〝お世話になっている〟なのかが気になる。そして悪い方向にばかり考えてしまう。