かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

「あ、もちろん絶対に口外しないから安心して。でもそっか、小毬は結婚していたんだ。だから野沢君にも興味なかったのね、納得!」

 あっさりと受け入れてくれた敬子に感極まり、泣いてしまった。

「えっ、ちょっと小毬、どうしたの?」

「ごめっ……」

 涙を拭いながら嬉しくて笑ってしまう。

「ずっとトラウマになっていたから、敬子に話すのが怖かったの。……でも話してよかった。ありがとう」

 思ったことを口にすると、敬子はムキになって言った。

「当たり前でしょ? 私たち、友達なんだから。これからはなんでも話して」

「……うん」

 私の返事を聞き、敬子は満足そうに笑った。

「じゃあ乾杯しようか」

「そうだね」

 改めて乾杯をしたあと、野沢君のことを思い出した。

「そうだ、敬子。野沢君に連絡してくれる? 私たちのことで、心配してると思うから」

「あ……そういえば私にもメッセージが届いていたんだ! でも小毬と話をしてから返信しようと思ってて……!」

 慌ててスマホを取り出した敬子。どうやら私たちふたりに野沢君はスルーされていたようだ。

「アハハ、きっと野沢君、私と小毬から返信こなくて焦っているよ。なにかやらかしたのかもしれないって」

「そうかも」