かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 受け取ってギュッと握りしめた。

「まずは今夜、頑張ってきて! ……大丈夫、友達とうまくいくよ」

「うん」

 由良に勇気をもらい、ふたりで駅まで急いだ。



 ソワソワする気持ちを抑えながら仕事を終え、秘書室を出たところでスマホの電源を入れた。すると何件かメッセージが届いていて、一番新しいのは敬子からだった。

 この前、同期会をやったところで会おうときていて、すぐに返信し、エレベーターに乗り込む。

 その中で他に届いていたメッセージを確認すると、将生と野沢君からだった。

 返信がきたってことは、私が送ったメッセージを見たってことだよね。どう、思ったかな。
 気になるけど怖くて見られない。それにこれから敬子と会うんだもの。……敬子と別れてから見よう。

 野沢君もきっと、敬子のことだよね? まだ既読付けていないし、あとから返信しよう。

 スマホをバッグにしまい、待ち合わせ場所へと急いだ


 緊張しながら店に入ると、すでに敬子の姿があった。目が合うと微妙な顔で手を挙げた。

「小毬、こっち」

 店内は満席に近く、敬子は端のふたり席のところにいた。

「ごめん、待たせて」

「ううん、そんなに待っていないから大丈夫だよ」