かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 由良の優しさに胸がジンとなり、よりいっそう涙が溢れる。

「あぁ、もう泣かないの。明日も仕事でしょ?」

「う、ん……」

 そう言われても、簡単に涙を止める術がない。由良にソファに座るよう促され、彼女と並んで腰を下ろした。

「でも嫉妬するのも、臆病になるのも、悲しくて泣いちゃうのも全部当たり前な感情だからね? 誰だってそう。好きな人のことでは情緒不安定になるものだよ」

 子供をあやすように頭を撫でられると、素直に甘えたくなる。そのまま由良に体重を預けた。

「それに友達のことがあったから余計だよ。……大丈夫、ひとつずつ片づけていけばいい。まずは友達に話さないとね」

「……うん」

「きっと友達は後悔していると思うよ。ひどい態度をとっちゃったって。仲直りしたいって」

 そうなのかな。……でもそうだといいな。これをきっかけに、敬子ともっと仲良くなりたい。

「今夜はとことん小毬に付き合ってあげる! 待ってて、まずはおいしいものを作ってあげるから」

「ありがとう、由良」