かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 由良の力は徐々に弱まっていく。

「明日、食事をしながら話したいことがあるって言われたの。……それはもしかしたら別れ話かもしれない」

「そんなっ……! 絶対あり得ないから」

「どうして? だって人の気持ちなんて、簡単に変わることもあるでしょ?」

 再び零れ落ちた涙。拭うことなく溢れ出る感情を言葉にしていく。

「現に私がそうだもの。……将生のことを嫌いだと思っていたのに、好きになっちゃったんだから」

 自分でもびっくりした。将生が私以外の女性と一緒にいるところを見ただけで、あんなに醜い感情を抱くなんて。

「だったらなおさら確かめないと。本当にあいつが浮気したのか、直接聞かないとだめだよ」

 そう言われても首を縦に振ることなどできず、左右に振った。

「このままじゃだめだってわかってるよ? でも無理だよ、怖くて聞けない」

 もし別れ話を切り出されたらどうすればいいの? いつかは向き合わなくていけないとしても、まだそこまで心が追いつかない。

 すると由良は私の気持ちを察してくれたのか、「わかった」と呟いた。

 そしてテーブルの上にあるスマホを取りにいくと、操作していく。

「あいつに連絡しておいた。しばらく小毬はうちに泊まるからって。……少しあいつと離れて、考える時間が必要でしょ? いくらでもいてくれていいから。むしろ一緒に住んでもいいよ」

「由良……」