かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

「無理をせず、私を頼ってください。私も手が回らない時は荻原さんを頼りますので。……ふたりで協力してやっていきましょう」

 山浦さんが私を頼ることなんて絶対なさそうだけど、『ふたりで協力してやっていきましょう』って言ってくれた気持ちが嬉しい。

「……はい!」

 返事をすると、山浦さんは「そうでした」と思い出したように言った。

「荻原さん、まだいつかは決めておりませんが、近々仕事終わりにお食事に行きませんか?」

「え……食事ですか?」

「はい。副社長が荻原さんの歓迎会をやろうと乗り気でして」

 誠司君が言ってくれたんだ。きっと私を気遣ってだよね? でも……。

「あの、大変嬉しいのですが、その……歓迎会ということは、秘書課全員参加されるのでしょうか?」

 歓迎会をきっかけに交流を図るべきなのかもしれないけれど、山浦さん以外、先輩たちとほとんど話をしたことがない。そんな中で、うまく接することができるか自信がないよ。

 それで先輩たちを不快にさせてしまったら、元もこうもない。

 心配になっていると、山浦さんは珍しくクスリと笑った。