かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 がっくり項垂れながら用意してくれた朝食に目を向けると、隣に一枚のメモ紙が置かれていた。

【おはよう。夜食ありがとう、うまかったよ。来週には仕事が落ち着くと思うから、ゆっくりふたりで食事にでも行こう】

「将生……」

 メモ紙に書かれた言葉が嬉しくて頬が緩む。

 夜食、食べてくれたんだ。よかった、用意しておいて。今夜も遅くなるならまた作っておこう。

 来週には落ち着くんだ。だったらますます仕事を頑張って終わらせないと。翻訳した書類を提出して、すっきりさせて将生とゆっくり食事に行きたい。

 気合いを入れて準備をし、会社に向かった。




「どうしよう、終わらない……!」

 山浦さんに言われた提出期限は明日。今日の帰り、無理なら数日伸ばしてもいいと言われたけれど、明日には提出しますと言ってしまった。

 帰宅後もやってはいるものの、終わるか微妙なところ。

「だめだ、一度休憩しよう」

 キッチンに向かい、コーヒーを淹れた。

 時刻は十一時過ぎ。今日もまだ将生は帰ってきていない。……いや、それどころか最近会社に泊まり込んでいる。週末も出張だと言って着替えをバッグに詰め、慌ただしく家を出て行っちゃったし。

 将生、少し痩せた気がする。今までにも私が知らなかっただけで、こんなに忙しいことがあったのかな。