かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 たった数日食事をともにしないだけで、こんなにも寂しくなるなんて……。

 ううん、食事の席だけじゃない。朝起きたら隣で将生が寝ていないことも、〝おはよう〟と〝おやすみ〟を言えないことも、すべてが寂しい。今の私の生活の中心には将生がいるんだ。

「会いたいな」

 箸を持つ手はいつの間にか止まり、ポツリと漏れた声。

 好きな人ができると、みんなこんな気持ちを抱えて毎日過ごしているのだろうか。

 将生の仕事が忙しくなってから、何度も思った。会いたいと。……会って顔を見れば、どうして寂しいのかも、こんなに会いたいと思うのかもわかる気がする。

 きっとあと少ししたら仕事も落ち着いて、今までのように早く帰ってくる日も増えるよね。

 家のことは私がしっかりやって、将生を支えよう。それに私も任された仕事を全うしないと。

 急いで残りのご飯を食べて片づけを済ませ、入浴後に持ち帰った翻訳の仕事に取りかかった。

 そして眠気の限界までやってベッドに入ったのが十二時半過ぎ。その時間になっても、将生は帰ってこなかった。

 次の日、目を覚ますとやっぱり隣に将生の姿はなくて、キッチンへ向かうと私の分の朝食が用意されていた。

「あぁ、もうまた……」