かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

「だからって花火を打ち上げるなんて……」

 そこまで言うとキュッと口を結んで俯いた小毬に、不安を覚える。

 小毬は昔から俺にお金を使わせることを、悪いと思っているところがある。だからデートをしても、奢らせてくれなかった。

 そんなこと、気にすることないのに。デートをすれば、大半のカップルは男がデート代を出すものだ。

 そこが小毬の良いところでもあるが、男としては少し甘えてほしいと何度も思った。

 そんな小毬だから俺が花火を用意したことは、秘密にするつもりだった。

 俺にお金を使わせてしまったと、気に揉んでいるのだろうか。

 様子を窺っていると、小毬はゆっくりと俺に体重を預けた。

 ほのかに香るシャンプーの香り。そして強張った身体からは熱を感じ、小毬が抱き着いてきた事実に驚き戸惑う。

「小毬……?」

 心臓の動きを速めながら彼女の名前を呼ぶ。

「ありがとう、将生」

 そう言って顔を上げた小毬の目は潤んでいて、息が詰まる。

「すごく嬉しい」

 今にも泣きそうな顔で言うと、今度はギュッと俺にしがみついた。

 本当に小毬のこういう仕草が愛しくて、簡単に理性を崩壊させる。だけど自ら触れてきた小毬が悪い。