かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 渋滞に巻き込まれながらも、予定していた時刻にたどり着いた場所は鎌倉。
 
事前に予約しておいたパーキングに車を停めると、小毬は目を輝かせながら降りた。

「鎌倉、懐かしいね。一度だけうちの家族と将生の家族で旅行に来たことがあったよね」

「あぁ」

 よかった、小毬も覚えていてくれて。

 家族同士で初めて旅行に訪れたのがここ、鎌倉だった。だからふたりっきりの初めての旅行も鎌倉に来たかったんだ。

 多くの観光客と共に鎌倉のメインストリートである【小町通り】を目指していく。

「どこから回ろうか」

「まずは着替えからしよう」

「え、着替えって……?」

 キョトンとする小毬を連れて向かった先は、着物浴衣レンタル店。着付けもしてもらい、浴衣でふたり、鎌倉を散策したくて予約したんだが……。

「どうかな?」

 想像以上に白に色とりどりの花が描かれているモダンな浴衣が、非常に似合っていて目が釘づけになる。

 髪も浴衣に合わせてアップされていて、それもまた可愛い。恥じらっている姿も浴衣だとグッとくるものがある。