かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 なぜか無性に将生に会いたくなった。きっとまだ歓迎会中のはず。だけど先に帰宅して、家で帰りを待っていることを伝えたい。少しでも早く帰ってきてほしい。

 その思いでスマホを取り出し、メッセージを送るために将生の連絡先を呼び出そうとしたものの手が止まる。

「あれ、メッセージが届いてる」

 将生からメッセージが送られてきたのは、三十分前だった。居酒屋の前で目を通した。

【終わったら連絡して。迎えに行く】

「近くって……」

 将生、歓迎会じゃなかったの? だってまだ二十時前だよ? 今が一番盛り上がっている頃じゃないの?

 気になって電話をかけると、すぐに彼の声が聞こえてきた。

『もしもし、小毬?』

「将生、歓迎会は? もう終わったの?」

 すぐさま問うと、将生は『抜けてきた』と言う。

「どうして? ……やっぱり居づらかったの?」

 安易に参加してみたら?と勧めた手前、将生が嫌な思いをしたのかと思うと罪悪感が芽生える。

『いや、違うよ。小毬の言う通り大歓迎された』

「だったらどうして?」

 すぐさま聞くと、少し間が空いたあと、将生は照れくさそうに言った。

『小毬には、いつだって誠実でいたかったから』

「えっ?」