かりそめ夫婦のはずが、溺甘な新婚生活が始まりました

 あ、あれ? そういえば私、将生に同期会には男の人も来るって伝えたっけ?

 記憶を辿るものの、言った覚えがない。――ということは、将生は女子会だと思っているってこと?

 そこまで考えが行きつき、心が落ち着かなくなる。

 敬子は好きな人が自分以外の女の人と一緒にいるだけで、モヤモヤすると言っていた。それは将生も同じだよね?

 やましい気持ちはなにひとつないし、出会いを求めているつもりもない。だけどこういう場に来たという時点で、将生にそう思われても仕方ないはず。

 そう思うとたまらなく悪いことをしている気分になる。

 だって私、将生に『初めて好きになるのは、将生がいい』って言ったのに。

 その時の喜んだ将生の顔が脳裏に浮かび、胸に痛みがはしった。

 いや、でも将生だって今日は新入社員の歓迎会だと言っていた。会社には女性社員も多いはず。

 今夜、集まっているのは男性だけではないよね? だったら、そこまで気にすることじゃないのかな? ……でも。

 モヤモヤは広がっていき、耐え切れず立ち上がった。

「え、どうしたの? 小毬」

 不思議そうに私を見上げる由良に、急いでお札を取り出して渡した。

「ごめん、先に帰るからお金野沢君に渡してくれる?」

「えっ? 帰るって……」

「また連絡するね」

 呆気にとられる由良に一方的に言い、居酒屋を出た。