「あっつ…」

夏の真っ只中、7月

なんとも言えないじめじめした空気は肌を燻り、
今にも手に届きそうな、目いっぱい広がる空は僕の中まで侵食して来そうで少しだけ怖かった。

体が重い

シャーペンを握る手が汗ばむ

汗でべっとりしたシャツがなんとも気持ち悪い

あれ、

今なにしてたんだっけ

最近はよく空を見るようになった。

何がきっかけかは自分でも分からないが、
あの広がる青さを見ると飲み込まれるような感覚も少しだけ悪くないと思った。

ぼんやり眺める。

周りの音がない

「……い」

歯切れの悪い、誰だ。

その感覚が僕を現実へと呼び戻す。