『すみません、今大丈夫ですか？

大丈夫でしたら電話をください』

電話って、どうしたんだろう？

私は電話帳から星川くんの番号を出すと、彼に電話をかけた。

「もしもし」

すぐに星川くんが出た。

「杉田です、お疲れ様です」

私が声をかけると、
「すみません、急にメッセージを送らなければならない事情ができてしまいまして」

星川くんほ申し訳なさそうに言った。

「何かあったんですか？」

私は星川くんに聞いた。

「実は、青空を迎えに行って欲しいんです。

取引先との接待が思ってる以上に長引いてしまったうえに、まだ帰れそうになくて…」

「あー、そうなんですか…」

「本当だったら姉に頼むことなんですけど、今日は夜勤が入っているから青空の迎えに行けないみたいで」

星川くん、お姉さんがいるんだと私は思った。