「飯食ったら眠くなるなぁ」


 ふあぁと欠伸しながら言う。
 うーん欠伸してる顔も可愛い。
 写真撮って部屋に飾りたい。
 スマホのロック画面にするのもいいかもしれない。

 あ、いいこと思い付いてしまった。


 「眠いの?じゃあここで寝たら?誰も居ないし」


 琥牙の可愛い寝顔をたっぷり堪能できる。


 「お、そうだな。丁度ベッドもあるし」


 乗った!
 いやー今日はツいてるな。
 琥牙の寝顔を想像しただけでニヤケてくる。
 危ない危ない。
 ポーカーフェイスポーカーフェイス。


 「どうぞ?」


 「んーおやすみぃ」


 っっ!!可愛いぃ!
 あーもう何でそんなに無防備なの?
 そんな簡単に男の横で寝たら襲われるよ?
 多分襲う奴は俺ぐらいだけど。

 直ぐにスヤスヤと眠り始めた琥牙をじっと見つめながら思う。

 困るな、横でこんな可愛い顔をしながら寝られると。
 あーキスしたい。
 襲いたい。
 琥牙の中を俺で一杯にしてあげたい。
 めちゃくちゃにしたい。

 欲望が限りなく溢れてくる。
 仕方無いから写真を撮るだけに止めておこう。
 当然、無音カメラだ。
 起きる心配はない。

 写真もいいがやはり生をしっかり目に焼き付けておかなくては。
 写真は十数枚だけにしておこう。

 あとはひたすら眺め続ける。

 昼休み中はほぼ確実に起きないだろう。
 つまり昼休み中はずっと愛でていられる訳で。
 この上なく幸せ。これ以上の至福などあるだろうか。
 いや無い。
 この至福の時を1秒も無駄にはしたくない。
 瞬きも惜しい程だ。


 しかし眺めるだけもつまらない。
 琥牙のことだ。
 少しぐらい触っても起きない……よね?
 魔が差す事なんて誰にでもある。
 だから少しだけなら……




 躊躇いつつも琥牙の髪を撫でる。



 思ったより柔らかいな。



 ちょっといい匂いがする。



 人の頭って暖かかったんだ。









 ───もっと、もっと触れたい───













 そっと自分の顔を琥牙の顔へ近づけ







  琥牙の髪に優しくキスを落とす

  耳朶に

  額に

  瞼に

  頬に

  やがて口へと───