溺愛なんてされるものじゃありません

…ピンポーン

朝から呼び鈴に起こされた。せっかくの休みなのに朝から誰だ?面倒だから寝起きのまま玄関のドアを少しだけ開ける。

「…はい。」

ドアの外には主任がいた。髪もセットしてファッション誌のモデルが着こなすような服装の主任に思わず目が(くら)む。朝から眩しい(もの)を見た。

「…もしかしてまだ寝てたのか?」

「えぇ、休みの日くらいゆっくり寝たいので。何か用ですか?」

「いや…今日は大丈夫かと思って様子を見に…。それよりなんか顔色悪くないか?」

心配して来てくれたんだ。私は正直昨日の今日で少し気まずいのだけど、主任はそんな事ないのかな。

「顔色?そういえばなんか怠い気がする。二日酔いですかね。今日は朝からお出かけですか?」

「あぁ…今から清水さんと会ってくる。」

今日は裕香とデートの日か。私は少しモヤっとした気持ちになった。

「上手くいくといいですね。いってらっしゃい。」

私は笑顔を作って主任に手を振り、また部屋へ戻る。

「あー…しんどい。」

私はベッドに飛び込み、ボソッと呟いた。そしてそのまま二度寝した。

目が覚めると、もうお昼を過ぎていた。昼ご飯食べなきゃとベッドから起き上がるとなんだか頭が重かった。それに食欲もない。二日酔い…じゃないな。私は自分の手をおでこに当ててみる。

「…熱い。これは二日酔いじゃなくて風邪かな。」

怠い体を引きずり、体温計を取りに行く。測ってみると38.5℃だった。

「やっぱり風邪じゃん。怠いわけだ。」

水分をとりまたベッドに転がった。ボーっと天井を見上げ主任の事を思い出した。

「裕香と主任、どんなデートしてるのかなぁ。」