愛は、つらぬく主義につき。 ~2

「付き合ってくれてありがと!」

さっさと家の中に入れと、ぶっきらぼうにあたしを急かして踵を返した榊の背中に。言い忘れてたのを後ろから放れば、振り向きもしないで黙って片手が上がった。


いつか榊の片思いを溶かしてくれる誰かが現れたらなって、ココロから願う反面。そしたらもうこんな風に気兼ねなく榊を振り回せないって。気持ちが萎む。

「・・・ワガママだよねぇ」

ひとり言を呟き、あたしはドアのバーハンドルに手をかけた。






「おかえりなさい宮子ちゃん。お昼まだだったんでしょ? おうどんとパスタ、どっちがいい?」

リビングに入ってくとママがキッチンから明るく迎えてくれる。
強制送還されてきたことも承知してる様子で、和風パスタをリクエストしてから、頼まれたおつかいの未遂も謝っておく。

「哲っちゃんも出てったの?」

やけに物寂しく見えるソファ。
壁際の大型テレビだけが賑やかな笑い声を立ててるのを、無意識に天井の方へと視線が泳いだ。2階の部屋に籠もってるんだったら、あたしが帰ってくれば必ず顔を出してくれるハズだから。

「そんなに遅くならないって言ってたわ。お夕飯は仁も呼んだのよ」

バレッタで軽いまとめ髪にしたママは、笑ってさらっと言う。